発信元:株式会社誇高/監修:代表取締役 小倉瑞季
日本文化と利他を考えるには、具体的な営みを見る
日本文化と利他のつながりを考えるとき、「日本人は皆、昔から利他的だった」と一括りにすることは避けたいものです。文化には地域や時代による違いがあり、同じ営みを受け取る人の経験も異なります。
本記事では、和食の継承を一つの具体例として、誰から何を受け取り、誰へ手渡すのかを考えます。文化庁が説明する事実と、誇高がそこから学びとして考えることを分けて記します。和食全体を、誇高独自の思想の証明として扱うものではありません。
和食は、料理だけでなく社会的な慣習として説明されている
文化庁「文化遺産オンライン」の解説では、「和食;日本人の伝統的な食文化」は、自然を尊重する考え方と結び付く食に関する社会的な慣習として紹介されています。年中行事との関わりや、家族・地域の結び付きにも触れられています。
ここで確認できるのは、文化の説明が食材や調理だけに限られていないことです。季節、自然、行事、人々の関係の中で営まれるものとして捉えられています。これを根拠に、すべての家庭で同じ行事が行われている、すべての行動が利他によって成り立つ、とまで結論付けることはできません。
誇高では、受け取ったものと役割を見つめる
株式会社誇高は、誇りを「関係性の自覚から生まれる使命の確信」と定義しています。食卓の一場面を通して、食材を育てる人、運ぶ人、調理する人、作法や料理を伝えてきた人などへ思いを向けることは、その関係性を考える一つの入口になります。
これは、文化庁が誇高の定義や講座を認定しているという意味ではありません。外部の解説を読み、自分たちの暮らしを振り返るための、誇高の教育上の解釈です。事実の紹介と、そこから生まれる問いを区別します。
身近な文化を、三つの問いで見つめる
一つ目は「誰から教わったか」です。料理、挨拶、手紙、行事の準備など、自分が当たり前にしていることの中から一つ選びます。教えてくれた人の名前を思い出せなくても、どこで経験したかから考えられます。
二つ目は「何を大切にしていたのか」です。形だけを覚えている場合は、地域の資料、博物館、図書館などの解説に当たってみます。家庭内の習慣を、日本全体の歴史や作法として説明しないよう、どの範囲の話なのかも確かめます。
三つ目は「誰に、どんな形で手渡したいか」です。同じ形をそのまま続けるだけでなく、今の暮らしや相手の状況を踏まえて伝える方法を考えます。教わった料理を一緒に作る、写真と由来を残すなど、できる形から始められます。
伝える相手の事情も大切にする
文化を大切にしたい思いがあっても、相手が同じ経験や信仰、食習慣を持っているとは限りません。「これを知らないと日本人ではない」と区切るより、背景を説明し、相手が関わる形を選べるようにします。
行事や作法を次世代へ伝えるときには、準備する人の時間や費用、参加する人の負担も見つめます。大切にしたい意味と、変えてよい方法を話し合うことで、継承の仕方を考えられます。特定の文化への参加を、誰かを評価する条件にする必要はありません。
利他を、今日の一つの行動にする
誇高では、自分だけでなく他の人や世の中のために大切な何かを成そうとする決意を、志として表現しています。文化についても、「詳しく知っている自分」で終えず、誰が受け取ると喜ぶのか、どうすれば関わりやすいかを考えることが、実践への問いになります。
身近な人から教わったことを一つ思い出し、その人に由来を尋ねる。受け取った学びを、相手に合わせて自分の言葉で伝える。大きな活動でなくても、受け取り直し、手渡す行動を選べます。
出典と関連する学び
事実の出典:文化庁「和食;日本人の伝統的な食文化」。本記事の問いと実践例は編集上の提案であり、同資料に書かれた手順ではありません。
誇高の定義は誇りとは何か、夢と志の違いをご覧ください。学び方を知りたい方は無料体験ENGINEや全5日間講座との比較をご確認ください。
この記事の発信元:株式会社誇高の会社概要・実績・著書。監修者については、代表取締役 小倉瑞季の紹介・代表挨拶をご覧ください。